第4章 無知という死病
最近ミルキが周りをうろちょろするようになった。
特に話しかけてくるでもなく、ただ側に居る事が多くなったように思う。
それをイルミに話すと溜め息を吐かれた。
「キルアの事が、少し羨ましいんだよ」
「えー何でぇ?」
「ハルに一番可愛がられてるから」
「そぉ?」
「そうだよ、キルアのこと一番僕の弟って言うじゃん。
積極的に会いに行くのもキルアだけだし」
うーんなるほど?全く自覚がなかった。
それに会いに行くって言ったって、キルアはまだ一人で出歩けないんだから、こっちからが会いに行くしかないじゃない。
「イルミもミルキも、みんな僕の弟だよ」
ぐしゃぐしゃと頭を撫でたら振り払われた。
反抗期だーってからかったら刺されそうだから大人しく手を下ろす。
「でもまあ、イルミは弟っていうには近すぎるからなぁ」
一緒に成長してきたもんだから、可愛がる対象って感じはしない。
ミルキも勿論可愛いけど、そこまで積極的に構ってって言ってくるタイプでもないからなぁ。
分かりやすく懐いてくる弟は特別可愛いと思ってしまうのかもしれない。
「さっきはオレも弟だって言ったのに」
「言ったけども。
なぁに甘えたいっていうのぉ?」
「馬鹿じゃないの」
めちゃくちゃ冷たい目をされてしまった。
まだ10代半ばなんだから別に甘えたって良いと思うんだけどね。
この年頃の子は何考えてるか分からないなぁ。
「まあ、この後ミルキのとこに遊びにいくよ」