第34章 【バレンタイン話】糖度は控えめ?
「宗次郎に…贈ろうと思って…」
「…僕に?」
「……バレンタインデー。」
「…!そうですか。」
「あの…私ね、こういうの苦手だから練習して…ちゃんとしたもの作れたら渡そうって思ってて。でも無理だったら何か他のものにしようかなって。」
「……」
「…本当の本当はチョコレートを贈りたいけど、綺麗で美味しいのが嬉しいだろうし。
だからもし渡してがっかりさせたらダメだなぁって…」
目を丸くさせていた宗次郎は、穏やかに叶に向き直った。
「…何か誤解してるようですけど。」
「え?」
「別に見映えは気にしない…なんて言ったら、どうせ嘘だと言うんでしょう?
でも僕は…嬉しいかなぁ、どんなのだって…。叶さんから貰えるのなら。
何より一生懸命作ってくれようとしてるんでしょう?…去年のだって。」
「…べ、別にっ…私は…//」
「まあ、いいですけど…」