第5章 乙女の悩み
おそるおそる奴の顔を見てみると。
「……ぷっ、」
「…ほえ??」
「…っ、叶さんなに本気で悩んでるんですか…!」
──ふ、吹き出しやがった。
「げ、外道!これは外道と言ってもいいやつだ!」
「だって、からかっただけなのに叶さんてば、いきなり本気で狼狽えるから…っ!」
こいつ、目尻に涙まで浮かべてる…!
「何笑ってるのよ!本気で気にしてるんだもん!」
「ああ面白い。虐めがいがありますね。」
「やっぱこの人、人を玩具としか見てない…!」
「失礼だなあ。叶さんだけですよ。」
「なんだそれ?あなたが失礼よ。」
あーあ、教えを乞う相手間違えた。
結局求められていないものを求めても仕方ない。悩みなんて無用。