第26章 素直な二人
笑いかけて、そして。
少し叶は頰を染めた。
「…ね、宗次郎。」
「なんですか?」
「さっきの……体が戻らなかったら、って話。」
「はい。」
「もしそうだったら…ずーっと、宗次郎と一緒にいられるのかな?って思ったりした。」
「…ずっといますよ。」
「え?」
優しく微笑みかけてくる自分の顔。
でも、容貌が違ってもやはりそれは宗次郎の微笑み方を彷彿とさせる。
「…でも、やっぱり叶さんは本来の叶さんの姿をしてるのが一番かなぁ。」
どんな叶さんでもいいですけどね、と付け加えるいたいけな彼が愛おしく思えた。
素直な二人
(意地っぱりは健在ですが。)