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彼に食ってかかられる

第25章 形成逆転


※今回ちょっとだけ下ネタ含みます。






──あろうことか僕は転んだ。



というのは叶さんのせいだ。

なぜなら、廊下の曲がり角にも関わらず、叶さんがえらい勢いで走ってきたから出会い頭衝突せざるを得なかったのだ──




「「いたたたた…!!」」


同じ言葉を同時に発した時、あれ?と僕はなんだか違和感を感じた。直感的に自分の発した声が気になった。
でもとりあえず仰向けになった体勢を整えようと身を起こしたその時。


(──あれ。)



自分の身体が視界に入る。というのも、着物の色がおかしい。たしか青い着物を着てたはず…。

足の方に視線を辿らせていく。ますますおかしい。こんなに着物の丈は長くないはず………あれ?これって叶さんの着物に似てる?

そこまで考えた時、叶さん
──いや、僕の姿をした叶さんは叫び声を上げた。



「宗次郎!!これ、入れ替わってない!?」

「あー…僕、いや、叶さん?」



驚いたら僕はこんな顔するんだ。そんなことをぼんやりと思った。

──どうしてこうなったんだろう。






* * * * *






「とりあえず、僕の姿で品のない振る舞いをするのやめてもらえます?」


「私の顔で黒いオーラ出すのやめてくれたらね。」

「ほんとに質が悪いですね。嫌な人に人質を取られたものだなあ。」

「誰よ、人質って。」

「僕です。僕の体です。」



「…っていうか、ひょっとして!」


叶さんは瞳を爛々と輝かせた。



「今私は宗次郎なんだから…めちゃくちゃ強いんじゃない!?」

「…」


嫌な予感がした。


「ってことは!私、宗次郎に勝てるんじゃない!?」

「……」
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