第24章 妄想少女の夢
叶は頰を染めて宗次郎を見つめる。
胸元を掴まれたままの手をぎゅっと握り締める。
「もし…私に遠慮してるとかなら…そんなの別によくって…
宗次郎がいいなら…」
「…叶さん…」
「私…宗次郎なら…いいよ?」
見つめる目と目。
──ふわっと微笑まれたかと思うと、距離を詰める宗次郎の瞳。
「…ふふ。無理しないでください。」
「!」
ちゅ、と頰に口吻を落とされた。
施されたところから…熱が広がっていく。
「今はまだ…その気持ちをいただくだけで…十分ですから。」
「……そっか//」
「そういうことは、祝言迎えるまで待っておきましょう?」
悪戯っぽく、でも優しくて暖かな笑みを向けられた。
「!!祝言?祝言って!?」
「はーい、お姫様抱っこしまーす。」
ふわり、と抱え上げられた。
(ふえ!?///)
膝裏もしっかりと抱えられ、足が宙を浮く。
唐突のことに慌てて宗次郎の胸元を掴んだ。
……あったかい。宗次郎の身体。
「…思ったより、楽ですね。」
「…思ったよりってなに…」
綺麗な微笑みが一瞬こちらを向いた、と思った瞬間。
何を思ったか、ぐるぐるぐる~と回り出す。
「ちょ、待って、なんで回るの!?」
「え?楽しくないですか?」
「楽しいとかじゃなくない!?無理!うえっぷ…!」
(……顔が緩んじゃうなぁ。
叶さん…なんで今日はこんなにツボを突いてくるんだろう…///)
はにかみそうになるのを必死に堪えながら、目を回す叶をちらちらと宗次郎は眺めていた。
そんな調子で少しずつ進んでいったり…?
…するかどうかは、今後のお楽しみに☆
妄想少女の夢
終わりよければすべて良し。