第24章 妄想少女の夢
ここまで威圧的な声初めて聴いた!しかも今、口動かさずに舌打ちしたよ!こんな邪悪な笑顔初めて見た!
「ひいぃぃぃ…!!お許しを…!!」
「…この耳は何の為についてるんですか?え?」
勢いよく両耳を引っ張られる。
「いたたたた!そ、宗次郎の声をよく聴く為にですぅ!!」
「ですよね?で、」
ずいっ、と目と鼻の先に寄せられる真っ黒な笑顔。
笑ってるけど見開かれた目は笑ってない。怖い。
ぽん、ぽん、ぽん、ぽん、と手鞠をつくみたいに頭を手のひらで叩かれる。
「…この頭は何の為についてるんですか…?」
「そ、宗次郎の話をよく理解する為にですぅ……!!」
「それにしちゃあ無能ですよねぇ…?」
「ひいいぃぃ…!ごめんなさぁぁぁい…!!」
───
「は?別れ話だと思ってたんですか?」
「あんな本貸したからドン引きして別れ話し始めたのかと…」
「ほんと見上げたものだなあ。」
「で結局、宗次郎のは何の話だったの?」
「………その、叶さんが…あの本に描いてあることを求めてきたのかと…//」
「…ファッ!?///」
な、なんだって!?
「ってことは、え!?じゃあ私、そういうことしたがってる風に見られてたの!?//」
「…だって仕方ないじゃないですか…//」
……うわあぁ!
「叶さんもさすがに直接は言えなかったから、遠回しにあの本を渡してきたのかと…」
「そんな酔狂なこと私に出来るわけないじゃない!!//」
「ですよね。それは謝ります。」
「っ腹立つなー!」
「あとは、冗談だったんですけど…僕に何かくれますか?って聞いちゃったから、答えを探しあぐねてそういう回答に走ったのかとも…」
「え?そうだっけ?宗次郎そんなこと言ったの?」
「…“そうだっけ”?」
反射的に胸倉を掴まれて壁へと追いやられる。
「な、なんで怒るの~!?冗談だったんでしょ!?」
「……本当に冗談にされると頭にきますね。」
「えぇ…!?」
暫しの、膠着状態。
「う……じゃ、じゃあ……」
「?」
「ほ……本当にあげよっか…?///」
「……!」