第18章 She is mine
「叶、見ーつけた。」
(宗次郎…!!)
思わず笑顔になりかけたが、はっとした。
(…どんな顔を向ければいいわけ…!?)
さっきまでの余裕もなんのその、先程まで吹っ掛けられてた疑惑のせいで、すごーくものすごーく意識してしまう。
(そ、宗次郎にまで、私が宗次郎のこと好いてるとか思われたらおしまいだ…!身の程知らずも底無しですねとか言って、微塵切りにされるに違いない…!)
(そうだ!いかにも好きじゃないっていう顔をすれば!)
「……何してるんです?」
「えーっと…………死んだ魚の目の練習?」
「その辺の溝に突っ込んであげましょうか?」
きらきらきらとした笑顔で殺気を向けられた。気がした。
「ふうーん…どうやら。」
宗次郎は辺りを見回す。
「…叶さんを襲うなんて物好きもいたんですね。」
「は?」
「てめー、いきなり現れて何言ってんだ?」
あ?という顔をするチンピラの皆さん。……そりゃそうだわと私は同情した。これは説明しないと。てか、説明しないとわかんないよね。
くいくい、と宗次郎の袖を引っ張る。
「ごめん、ヒーロー現る!みたいな場面で悪いんだけどさ、宗次郎。私が襲ったの、この人達のこと。」
「は?」
「でも、なんか許してくれるみたいだから、余計な茶々入れないでくれないかな?」
「……」
目を丸くして、ちょっと待ってください、と宗次郎は考え込んだ末。
「え?四乃森さんに振られて…もう誰でもいいやと自棄になって?」
「いやいやいや!邪推しすぎ!」
宗次郎は周りをもう一度見渡し、何やら思い当たった末。イラついた様子で私に尋ねた。