第2章 未だ夢の半ば
「僕には理解できないや。」
「…」
「一体何の作品ですか?」
「…もう!宗次郎のばか!」
「質問に答えてませんよ?…代わりに答えましょうか。これは毒ぶ」
「なんて言おうとした?ねえ、何言おうとした?」
「紛れもなく毒物ですよね。」
「…その顔についてるのなんなの。くり抜いたらいいの。」
「そうですね。これを食べると目が見えなくなりそうですね。」
「そうですねじゃないよ。」
…はー。失敗した。…見事に失敗した。
叶さんは何にも出来ないんですね、なんて聞き捨てならない台詞を聞いたもんだから。
頭に来て料理くらい!と奮闘した結果がこれです。
…や、でもあの紫と青の箇所を避ければ食べれるんじゃないかな…
「自分で思ってて虚しくないんですか?」
「え、なになに?美味しそうに思えてきたって?どうぞお召し上がりください。」
「縮地の三歩手前でいきますね。」
「これ以上人を痛めつけて何になるっていうんですか?」
ああ、もう。私だってこんなの作りたかったわけじゃないんだってば。
「…宗次郎は心が狭くてさもしいなぁ。」
「それは八つ当たりですか。」
「気遣うってこと知らないんだね。べーだ。ばーかばーか。」
「叶さんは言葉遣いを学んだ方がいいですよ。」
「けっ。」
「それじゃあとてもお嫁に行けないですね。」
「ふん、ずっと宗次郎に寄生してやる。いつか毒殺してやるんだから。」
「それは気が遠くなりますね。気長に待つとしますか。」
ふん、いつか見返してやる。首洗って待ってなさい。