第47章 熱烈な恋を捧げたので
諦めたようにため息を吐き手を伸ばした。
そのまま宗次郎は叶の髪に触れ、さらさらと梳く。
火照った彼の顔に見つめられて。
「…僕にはあなたしかいません。」
──戸惑いや恥じらいを払拭するかのようにもたらされる愛の調べ。
叶はどぎまぎとしながら、宗次郎の言葉を、寵愛を、受け入れるのであった。
熱烈な恋を捧げたので
(ずっとあなたを愛しています)
『…まだそれ(花束)見てるんですか?』
『宗次郎、薔薇の花束って本数にも意味があるの…?』
『……』
『…調べてみてもいい?』
『勝手にどうぞ…え、今ここで調べるんですか?それはちょっと…』
『…うふふ♪答合わせしちゃえ♪』
『はあ…//』
(五月十四日、ローズデーにちなんでのお話。
恋人に薔薇を贈る風習を聞いて書きました。
宗次郎から薔薇の花束を叶様に。薔薇の本数はお好きな数を想像してみてください)