第41章 【桃の節句話】花酔い日和
──ああ、教訓。
宗次郎にお酒は飲ませちゃだめだ。
だって…かわいすぎるっ!
屈託のない笑顔で、それで…頰がちょっと紅くなってたりして、それで微妙に舌っ足らずな時もあって…
あ、でも、少し幼くなったみたい//これならいつもの意地悪や怖い目になんて…
「叶さん、叶さん♪」
「はい?」
「見てください、瞬天さ…」
「ぎゃああああ!!」
「冗談ですよ、面白いなあ♪」
…前言撤回!質が悪すぎる…!
「宗次郎…他でお酒飲んじゃだめだよ?」
「え?どうしてですか??」
ずいっ、と身を乗り出してくる。ゆっくりと距離を詰めるように、私の方へ這う。
真ん丸な瞳がじっとこちらを見つめる。…正直、とってもとっても、どうしたらいいかわからない!
「…いや、こんな姿見られちゃうとね?だって宗次郎も面子とかあるじゃない…」
「……!僕のこの姿……叶さんは嫌いなんですか……?」
「え!?そうじゃなくて…」
「嫌いですか…?」
……なんでなんで!?なんで宗次郎、ちょっと泣きそうなの!?
そんな綺麗な顔立ちでその表情は……居たたまれなくなるじゃない!
「僕のこと…嫌ですか?」
「ち、違うよ!……す、好き、だよ!」
「ああ、よかった。」
朗らかな声が上がった。にこにこ、と無邪気に微笑まれる。
…なんじゃこら!か、かわいすぎでしょ…!!//
そう思っていると、
「僕はね、叶さんのことが大好きなんです。」
気付けば至近距離に来ていた宗次郎。目と鼻の先。ふふふ、とはにかむように照れるように微笑まれた。