第1章 1
我ながら大胆な行動に出たものだと思った。
面と向かって相手に嫌いだと伝えるのは始めてのことである。
ついでに言うと異性に自分の気持ちを正直に伝えたのもこれが初めてである。
まぁ、好意ではないが・・・。
跡部は「そこまで言うなら仕方がねぇ・・」と目を再び伏せた。
私は「えっ取り消してくれるの?」と内心案外簡単に折れてくれたなと思い、彼の言葉を待った。
だがしかし、彼の放った言葉は私の期待を裏切るものであった。
「つばき、今日から氷帝テニス部のマネージャーだ!否定謙はない!」
「はぁ!?」
人の話を聞いていたのだろうか。いいや、聞いてなかったんだな。
「なんで!?」
「そこまで俺様を嫌うなら意地でも好きにさせてやる」
「俺様の美技でな」とドヤ顔で言われた。そんな彼の態度に大加減我慢の限界だ。
「いい加減にして!勝手に話を進めないでっ!ふざけてるの?!」
「ふざけてなんかねぇ。ただ今決めたんだ。」
なんて理不尽なんだ。