第1章 1
振り返ると宍戸は私を見ていた。
私はそんな宍戸に目を合わせれなくて宍戸の足元の方を無意識にに見つめてしまう。
そんな私にイラだったのか宍戸は少しふて腐れたように言い放った。
「・・・なんで目を合わさない」
「・・・・。」
「・・ちッ」
話になんねぇと宍戸は眉間の皺をより濃くして私から顔を背けた。
・・・なんで、そんなに怒ってるの
宍戸の怒りの原因なのは自分なんだと嫌でも分かるが何故怒っているかなど知るよしもなかった。
私も私で口を閉ざしたままチラチラと宍戸の頭と足元を戸惑いながら交互に見ていた。
「お前、言いたいことあるならちゃんと言え」
よく分からないが宍戸は再び私の方に目線を向けはっきりと言った。
「・・・なんで、怒ってるの」
ぼそりと聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いた私。だが、宍戸はちゃんとその言葉を聞き取っており、動揺するかのようにピクッと反応を見せた。
「・・お前見てると・・」
「・・・?」
「お、お前見てるとイライラすんだよ!!」
いきなり大声を出され反射的に相手の顔を見てしまった。
宍戸は声を張り上げ心のうちをさらけ出すように言い放ち、ボソボソと「何考えてるかわかんねー」だの「無表情すぎんだよ!」と言ってくる。
突然イライラすると言われても・・・
私にはどうすることも出来ない。
それに話の意図が分からず、首をかしげ見つめていると宍戸ははっとして気まずそうに目線を下に向けた。