第1章 1
手元の書類をじっと見て、判子が押してあるか確認する。
そして押してあることを確認して、よしっと部屋を出ようとする。が、また跡部に待て待てと呼び止められた。
「・・何?用事は済んだでしょ」と返せば「まだ用件は終わっちゃいねぇ」と返された。
用件? 疑問が浮かび頭をかしげる私。
会議室は既に他の生徒は居なくなっており、私と跡部だけどなっていた。
書類を手渡しにされたのも疑問だが今度は何だと跡部を見つめる。
「お前運動が出来ると聞いたんだが、それは確かか?」
・・・は?
何だ、そのどうでもいい話題は。
「・・人並みになら」
「そうか・・。お前部活動には入っているのか?」
「いや・・入ってないけど・・」
「そうか」と勝手に納得する跡部。
一体なんなのさ。書類を手渡された後だったから委員会のことに関わる話だと思っていたのに。
やっぱりこいつはよく分からない。