第1章 1
えっっ_______________
宍戸は何故ここに居るのだろう・・・。
そして何故私の目の前に立っているのだろう・・・・。
しかも、あの時と同じ状況で・・・・
「・・・・・」
「・・・・。」
お互い沈黙を作ったまま、宍戸はだまだまとしゃがみ込みテニスボールを掴んで籠に入れていく。それにはっとして私も仕事をしなくてはとボールを集め籠の中に入れていった。
「・・・・・」
「・・・・・」
お互い無言のまま作業を進めていく。
宍戸は・・・何しに来たんだろうか
また、何か言いに来たのだろうか・・・
私はこの前と似たような状況ということもあって内心ビクビクしていた。ボールを拾い集めている宍戸の背中をちらりと盗み見する。
練習があった後だからか、宍戸のウェアは汚れていた。いつも綺麗になびいている髪も今日は少し湿っているように見える。
たくさん練習してきたんだろうなぁ
この時期にここまでやるとなったら結構な運動量が必要だろうと勝手に私は解釈していた。