第1章 1
地面に散らばっていたボールも2人係だったこともあって早く片す事ができた。
籠を持ってこの場から立ち去ろうとする。
正直、宍戸と居る空間は居心地が悪い。
宍戸にキツク言われた日から私は宍戸になるべく接しないように日々を送ってきた。接してしまうまた何か言われるんじゃないかと思ってしまうからなるべく、会わないように・・・
とは言っても私はあまり表情に出ないみたいだから、周りから見ても私がビクビクしてるだなんて思いもしないだろう。
ボールも全部籠に収まったところで私はそそくさにこの場から逃げるように歩き出した。
籠に入ったボールたちは私が歩くたびにボンボンと跳ね上げる。ボールが転がり落ちるとかそういうことはどうでもよくて、今私の頭の中にあったのは「ここの場から離れること」だった。
「おい」
突然、後ろから発せられた言葉に動きが止まる
声の主はもちろん宍戸だ。
ゆっくりと振り返ると案の定、宍戸が少し俯き気味だがこちらをしっかりと見ていた。