第1章 1
私には2人の会話が聞こえないので先輩たちの会話してる様子から目が放せませんでした。
少しの間、先輩たちはお互い口を開かずにしていましたが、その沈黙を破ったのは宍戸先輩でした。
宍戸先輩は黒瀬先輩を見ながら何かを言っていました。そして、宍戸先輩が声を荒げたように言った途端、黒瀬先輩は弾かれたように宍戸先輩を見つめだしました。
そして
え・・・?
先輩・・・わらっ・・!?
見間違いかと思いました。
でも目の前で目撃したものは確かなもので・・・
黒瀬先輩が、目を潤ませながら宍戸先輩に笑っていました。