第1章 1
そうこうしてると忍足が「黒瀬さん、早よ部活行こか」と声をかけに来た。するとつっちーがさっきまでとは違う顔をして・・声も若干高くして忍足に話しかけた。
「忍足くん部活?」
「ん、せやで」
今そう言ってたじゃないか
なんて内心つっちーに突っ込みを入れたくなるが、彼女の嬉しそうに頬を緩ませている顔を見てしまってはそんなこと言えなくなる。
「頑張ってねっ!私テニス部応援してるよ!」
「さよか、そらおおきに」
ニコニコしながら忍足に向けてエールを贈るつっちー。そんなつっちーのエールに普通に受け答えする忍足。周りから見ると少し照れくさくなるような状況の中、私はその2人に挟まれている。
「うん!だって黒瀬もいるんだし、友達を応援しないとだしね!」
「ホンマ仲がええんやな」
「もちろん!」
ここで友達(私)を持ち出すのか?
ねーっと同意を求めるつっちーになんだかノーとは言えず、ぎこちなく頷きこの場を乗り切ることに成功した。
「じゃあまた明日」
「ほな土田さん、さいなら」
「うん!また明日ね忍足君っ!」
「・・・・」
忍足の方が大事かコラ。