第1章 1
あれから1週間、また1週間と日にちは過ぎていきテスト週間を迎えた。
今日はテスト最終日であり、もう少しであの退屈でげっそりとした日々から開放されるのである。
キーンコーンカーンコーン____
ガタッ
一斉に席を立ち達成感の雄叫びをあげる生徒たち。
「終わったーー!」
「やっとテストが全部おわったぜ」
「でもまたゲンナリする日が来るんだよなぁ~」
クラスがガヤガヤする中、うーんっと背伸びをし肩をならす私につっちーが私の席の前までやってきた。
「テストどうだった?」
「うーん・・・まぁまぁ?」
「黒瀬の言うまぁまぁって当てになんないからなぁ」
「何よそれ」
「だってあんた学年2位だし?」
「・・・ふふんっ」
「ドヤんなっ!」
そう、私は自分で言うのもあれだが意外と頭はいい方だったりする。現にこの学年の2位ということもあり、自覚はある。
私が少し上向きになり見下すようにつっちーを見ればつっちーはムッとした顔をした。そしてぶーっと頬を膨らませて全く怖くないが睨みを利かせてきた。
「何よ、高々2位でしょー。1位に比べればぜんぜん・・」
はっとしてつっちーは口を閉じた。
そして少し青い顔になりあたふたと自分の仕出かした事に気づいたように言葉の弁解をする。
「黒瀬・・!あの、今のは言葉の綾って言うか・・ほ、ほら!高みを目指せ?的な!」
「そうね、跡部に比べれば?私なんて?ただ2位と名乗ってる虫けらみたいな存在だもんね」
「そ、そういう意味で言ったんじゃないってば!」
そう、今の会話である程度分かっただろうが、この学年で1位なのは生徒会長件テニス部部長でもある跡部景吾だ。
跡部は全ての科目全て満点という信じられない奴なのだ。私は確かに勉強出来る方かもしれないけど、跡部ほど完璧にテストの点数を出せない。なのでいつも順位は2位なのだ。
跡部が凄い奴っていうのは認めてるし凄いなっとも思うけど、分かってるからこそ認めたくないと思うし、負かしてやりたいとも思う。多分これは自分のエゴなのだとは思うけど、跡部のことを気に入らないのはそういうことなんだと、テスト週間になると毎回感じるのだ。