第1章 1
「では、今日集まってもらったのは他でもねぇ。そろそろ寒くなってきた頃だ。服装もだらしなくなってくる時期でもある。そこで校内活動委員を中心に会議を行う。異論はねぇな?」
長々と喋った跡部に続き、校内活動委員代表である風紀委員長が椅子から立ち上がりベラベラと原稿用紙を見ながら話し出した。
本校では生徒会長を頂点とした生徒会組織が確立されており、複数の委員会が各々の分野を担当し、さらに各委員長により総会を定期的に行っている。
服装?この学校基本自由じゃないの?
と、疑問にも思ったがやはり校外での行いを正しくしておかないと学校の評判にかかわるからだろう。
受験の時困るもんね~・・・。
ここの学校はエスカレーター式なのでこのまま高等部にも上がれるが、他の学校に受験をするものもいる。
外部受験ほど面倒なものは無いだろう。
でも自分の将来のために皆受けるのだからそこは尊敬する。
いいよな~・・夢がある人たちは。
私なんてまだ全然考えてないよ。
「次、文化活動委員。・・・ん?」
「!?・・お、おい、図書っ!」
「・・・ん?」
ぼっけ~~~~と頬杖をつきながら窓の外を眺めていた私に彼らは呆れた様に私を見ていた。
「やる気があるのか」とその場にいる全員の顔に書いてある。
もちろん。やる気なんてさらさら無い。
急に振られた問いに「ん~、何の話だっけ?」っと返せば「身だしなみの件についてだよっ」と隣の席に座っていた校外活動委員が教えてくれた。
私は校則に背いた格好はしていないので、いや、したことが無いので征服を着崩している生徒を見るとイラッとすることもあった。なので、
「ブレザーの下に着るカーディガンを指定の物を着ていない場合、その場で指導を行うってのはどう?」
「おーー」っと話聞いてなかったのによくまともな意見が言えたなって顔をされた。