第1章 1
「お前あれだろ!?第一マネだろ?!」
「は?」
この男子生徒は何を言っているんだ。
口をあんぐりさせ目の前の彼をまじまじと見た。
彼は私の方に自分の指を突き出しながら興奮気味にものを言った。
・・・・・・・・・・・おかっぱ
「こら岳人、つばきさんがびっくりしとるやろ」
そう言って「堪忍な」と困り顔の前で両手を合わせる忍足。
いや、大丈夫っと返したもののまた疑問が出てきた。
第一マネって何・・・
「いやぁ、名前忘れてたからよっ」
わりぃ~わりぃ~とヘラヘラ笑いながら謝る男子生徒。
絶対悪いなんて思ってないだろう。
第一マネって「第一マネージャー」ってことだろうか?
それなら納得いくと、目の前の彼の自己紹介を聞いた。
「俺、向日岳人!有士と一緒でレギュラーだぜ!」
やけに張り切って自分の名前を名乗る彼が「んで、お前の名前なんだっけ?」と次は私に自己紹介をしろと振ってきた。ニコニコしているその顔の裏には何があるのだろうと思いながら「つばきだよ」っと答えると「そうそう!つばき!」っと思い出したかのように私の名前を呼んだ。
お互いに名前を名乗りあったところで、忍足が「ほなら部活行こか」と呆れながらにものを言った。
最初は忍足と2人で行っていたが向日を加え3人で行くことになった。
不意に横を見ると向日と目が合い、ニカっとスマイルをくれた。そして「これから頼むなっ!」と機嫌よさそうに言った。
この言葉の意味を知るまで、あと30分ちょい。