第1章 1
これじゃあ埒が明かないのでその雰囲気を壊すように私から「はい、ベルト見せて」と切り出した。
滝沢は一瞬眉間に皺を寄せたがちっと舌打ちをし、ブレザーの裾をたくし上げた。
「指定の物と違うね、アウト」
滝沢は何も言わずそっぽを向いたままだった。
だから私は反論するのも面倒って思ってんだなと思い「はい、次~」とどんどんチェックを進めていった。
一通りチェックは反論が無かったためスムーズに終わったがふと滝沢のカッターシャツのボタンに目が行く。
あ~あ
こんなに開けちゃって
「滝沢、ボタン開けすぎ」
「・・!?・・っ」
そう言って滝沢のカッターシャツのボタンを1つずつ閉めようと手にかけたとき滝沢が少したじろいだ。
だが、特に反抗されることもなくボタンは上までキッチリとめた。
「よし、これでいいよ」と滝沢の胸板の部分を叩き滝沢に眼を向けた。すると滝沢は先程よりも大きな反応を見せ仕舞いには私から逃げるようにしてその場から消えた。
一体何なんだっと唖然と走り去った滝沢の方を見ていると「図書、あんま煽ってやんなよ」と茶化すような男子の声が聞こえた。
よくわからないが・・・・続けようか
「はい次~」