第1章 1
結局洗濯機の前にあったタオル共は洗うことになった。
綺麗でも汚くても洗って損はない。
洗ってくれるのは洗濯機なわけだしっというわけで洗った。
今はそのタオル共を干している最中。
今日は良く晴れているし、風も強くない。
とてもいい天気だ。
うんしょ、うんしょと籠の中に溜まった湿り気のあるタオルを干しにかかる。
物干し竿の前で背伸びをしながらタオルをかける私。
私はそんなに背が高いわけではない。
だからこういう作業は一苦労なのだ。
それにしても脱水をしたのにもかかわらず、タオルがやけに重い。それに、1枚つまもうとするだけで何枚も引っ付いて余計重さがかかる。
「あー、面倒だ」
一々1枚1枚はがさなくちゃいけないから段々面倒臭くなってきて雑になってきた。
タオルを上下にばさばさと振払っていると「あの・・」と後ろから声が聞こえた。