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犬猿の仲

第1章 1




~跡部Side~



今日はいつもより早く生徒会の仕事が片付き少し遅れてだが部活に出れることになった。

ガチャリとドアノブをひねり部室に入るとそこにはいつものメンツがこちらに目を向けていた。


「跡部、生徒会はどないしたん?」



「もう片付いた」と切り返せば「早よう済んだんやな」と珍しいと言わんばかりの顔を向けてきたのは氷帝の曲者と異名を持つ忍足。

「今日は書類の数が少なかったんでな。・・それよりお前らとっくに部活は始まってる時間だぞ」


こんなところで何してやがると聞けば、レギュラーの1人である向日が口を開いた。


「聞いたぞ跡部、お前マネージャー入れたらしいじゃねーか」



「そんな話聞いてねーぞ」と少し不満そうに顔をゆがませながら言ってきた。


ああ、そういや言ってなかったなと内心思いつつ「言うタイミングがなかったんだよ」とぶっきら棒に返事を返した。


例のマネージャーは2軍の世話を任せているため俺らレギュラー組とは顔を合わせることがそうない。等の本人もあまり存在を知られたくないようだった。

それに入部したのは3日前のこと。別に言う必要が無いと判断したのだが、知らせておくべきだっただろうか。


「なんや跡部、水臭いやっちゃな~」


「んでどないな子なん?」と口元を緩めながら近寄ってきた忍足を軽くあしらう。



「とんだ頑固図書委員だ」


「あぁ、つばきかいな」

「え?侑士知ってんの?」




忍足は俺様の言葉でピンと来たようだったが、一番知りたがっている向日は分からないままのようだ。


というか名前まで知ってんだな


「あぁ、あいつ2年間同じクラスやねん。それに俺も委員会に勤めとる身やしな」


あー、なるほどーと納得する向日。と俺。


そういやこいつも委員だったと言われて思い出した。
つばきと同じクラスとは初耳だが


「俺も知ってるよ」と椅子に座りながらこちらを向いている滝が遠くの方から言葉を発した。


意外と知られていたつばきの存在。

なんだ?あいつ顔広いのか?と一瞬好奇心と言えるかわからない感情が生まれた。
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