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FFⅨ Hi Betty! (Long)

第3章  tease


僕は彼女のほんのりと朱に染まった頬に触れる。
彼女はまるで話のわかっていない仔犬だった。
どうしたらいいの?とでも言わんばかりに僕を丸い目で見つめている。

「ねぇ、ちゃんと聞いてるのかい?」
「聞いてる…、けど…」

彼女は頬に添えられた僕の右手を両手で包み込み、消え入りそうな声で答えた。
戸惑っているのか、しばらく顔を俯けていたが、最終的には僕の胸に顔を埋めた。
その間、僕の手はずっと握られたままだった。

「…なんか、いろいろ考えた私が馬鹿みたい。」

顔を上げないまま、彼女は呟いた。

「そうだね。」

と僕は返した。

「………何も聞かなかったことにしといて。」

彼女はさらに続けた。

「仕方ないねぇ…、"好きにしていい"だなんて、聞いてないよ。」

ふと、視線を下げれば、彼女がじっとりとした目でこちらを見上げていた。

「………私も、何も聞かなかったことにしとくから。」

念を押すような言い方だった。

「じゃあ、もう一度言おうか?」
「いい、大丈夫…!」
「そんなにしがみついておいてかい?」

彼女ははっとした様子で僕から離れた。
僕にとっては、そんな彼女の反応が面白くて仕方なかった。

「早く、ビリヤードしよう?」
「わかったよ。それで、これは脈ありってことでいいのかな?」

逃げるようにキューを取りに行く彼女が振り返り、僕を睨んだ。
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