第2章 オリジナルホムンクルスとの恋
ここは、とある研究所。研究室にいるのは難しそうな分厚い本を開いてメモをしていく若い男。女性のような顔立ちに眠そうな目をして、ぶつぶつと呟く。なんとも奇妙な行動。
「葵博士、何かーーー」
「光。僕はホムンクルスを作る。手伝ってくれるか?」
「ホムンクルスですか?どうやって作るんですか?」
「科学と錬金術の力でだ!!」
「はぁ。本当に上手くいくんでしょうかね・・・出来る限り手伝います。」
ゴポ、ゴポ。カリ、カリ!
「これでよし。後は僕の錬金術と光の錬金術を合わせてホムンクルスを完成させるぞ?いいね。」
「はい。博士。」
「我の力にて与えられし生命よ。作り出し、宿れ、目覚めたまえーーーっ!」
腐らせて発酵させた液体の入った巨大な瓶に触れると、文字がうつり輝きだす。しばらくすると
「完成したぞ!ホムンクルスの誕生だ。」
そのホムンクルスの姿は人間そのもの。体も声も子供で会話も、ままならない。一から覚えさせていくしかない。
「名前は、そうだ。雨のしずくからとって、レインだ。レ・イ・ン。」
生まれたばかりのホムンクルスにつけさせた名前を繰り返し呪文のように大きくゆっくり言うと口を開き
「レイン・・・」
「「喋った!!」」
「次は歩けるように練習させるぞ。手伝ってくれ!」
「どっちがどっちだか。はいはい。」