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【まじっく快斗】【コナン】満月の夜に

第1章 令和のシャーロック・ホームズに



体育館で行われた入学式を無事に終え、教室に移動するとすでに何人かのクラスメイトであろう子たちがいた。

黒板に書かれた席順を見て、自分の後ろの席に黒羽の字があることに驚いた。

千影さんから快斗も江古田高校だとは聞いていたけれど、日本を離れている間、一度も連絡を取らなかったどころか、L.A.に行くとも言わずに一方的に連絡を絶ってしまった私。

自分で言うのもアレだけどわりと仲が良かっただけに、快斗からするといきなり音信不通になった冷たいヤツ、と思われているかもしれない。

もし後ろの席の黒羽さんが快斗だとしたら、今更どんな顔をして会えばいいのか…


そんなことを思いながら自分の席に座ると、隣の子に話しかけられた。


「ね、あなたのお母さんって工藤有希子さん?」

「…え?」

「あー、急にごめんね。入学式のとき、すごい美人な人がいるなーと思ってたら工藤有希子さんでびっくりして」


私は美紅。よろしくね、と話しかけてくれた子は可愛いより美人という言葉が似合うような子で。


「うちのお母さん、騒がしかったでしょ。ごめんね…。えっと、美紅ちゃん?私は礼。よろしくね」


そういう私に、呼び捨てでいいと言ってくれるあたり、ライトな性格なのか話しやすそうでありがたい。


「礼のお母さんと一緒にいた人もすごく美人だったね。誰かのお母さん?」


千影さんのことを説明しようと口を開いたところを、礼!?と大きな声で呼ばれ、声のした方を見て思わず肩に力が入る。

まさかこんなにあっさり再会することになるとは思っていなかったため心の準備が追いつかず言葉が出なくなってしまった私に、あれ?もしかして違った…?と不安そうな顔をした快斗に慌てて口を開く。


「礼であってるよ。…久しぶりだね、快斗」

「やっぱり礼か!オメーここ何年も連絡してこねーで、何してたんだよ!?」

「あの…それは本当にごめん…実はお父さんたちとロサンゼルスに行ってて…」


何も言わずに日本を離れ、全く連絡も取らなかったにも関わらず、普通に接してくれる快斗に肩の力が少しずつ抜けていく。

今日初めて会ったという美紅と快斗にお互いのことを紹介し、しばらく話していると、今度は快斗を呼ぶ声が教室の入口から聞こえた。

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