第1章 令和のシャーロック・ホームズに

「あれ？快斗知ってる子？……ってすっごい美人さんと可愛い子！初めまして！青子っていうの、仲良くしてね！」


目を離すとすぐ可愛い子のところ行くんだから……とジト目を向けながら快斗の隣に立った青子ちゃんに、んだと！？アホ子だって……と快斗が言い返し、ケンカが始まってしまう。

そんな快斗と青子ちゃんを見て美紅と2人でポカーンとしていると、いつものことだから気にしないで、と青子ちゃんの後ろから教室に入ってきていた恵子ちゃんが教えてくれた。


「礼ちゃんは快斗君と知り合いなんだね？」


恵子ちゃんに話しかけられ、快斗とは幼馴染であることを伝えると、幼馴染ぃ〜〜〜！？と周りで聞いていた子たちが声をそろえて驚いたことに、またポカーンとしてしまう。

さっきまで教室を走り回って青子ちゃんから逃げていたはずの快斗も、今は男の子たちに囲まれ、なんで快斗の周りは可愛い子ばっかりなんだ！と揉みくちゃにされている。



不公平だ！



独り占めしてるんじゃねー！オレらにも分けろ！



うるせー！だったら自分で話しかけにいけよ！



そんなことを言いながらじゃれている男の子たち。

江古田中学出身の人たちがほとんどらしい江古田高校。

わいわいと騒いでいるみんなを見ながら、なかなか賑やかな高校生活になりそうだ……と密かに思った。