第18章 それぞれの想い
目を覚ますと見た事のある清潔感のある部屋だった。
確かここはリヴァイ兵長の部屋?なんで?
「気がついたかい?」
隣を見るとハンジさんがいた。
えっと…そうだ。私はフロイドに…
少しずつ記憶を辿る。
けど、どうして兵長の部屋に…?
「エマ、気分はどうかな?少し話してもいいかい?」
「はい、大丈夫ですハンジさん」
そう答えるとハンジさんは淡々と説明を始めた。
先ず、発見したのは早朝自主訓練に来たリヴァイ兵長だったこと。
人目を避ける為医務室では無く兵長の自室に運ばれたこと。
強姦され、膣口の傷が確認されたことと膣内へ複数回射精があったと思われること。
「エマ、嫌かもしれないけどエルヴィンとは話してもらわないといけない。
最高責任者だからね。あと、リヴァイはどうしたい?」
「わかりました。ですが、兵長に会うのは少し後でもいいでしょうか…」
私自身、頭を整理したかったのでエルヴィン団長に会うのも気が引けたが、リヴァイ兵長はもっとだ。
本当なら兵長には知られたくなかった。
ふとフロイドにされたことを思い出したのと、兵長に見られたということや、レイドのこと、色々なことが頭を巡り急に吐き気を催した。枕元に用意されていた洗面器に戻したが、胃液しか出てこず口の中が苦味でいっぱいになった。
落ち着いた頃、エルヴィン団長が入室してきた。
エルヴィン団長には謝意を述べられ、犯人のことも尋ねられたが答えなかった。
エルヴィン団長が、『俺』という個人の一人称を使ったことは意外で驚いたが、そこまで一介の兵士のことを思ってくれて素晴らしい上官だと思った。