第18章 それぞれの想い
エルヴィンは率直に聞いた。
エマの返答は無いようだ。
だが俺が見つけた時、目隠しはされていなかった。エマは犯人を見ているはずだ。
エマは犯人を庇っているのか…?
「…いえ…団長…、全ては私の招いた結果です…。
ご心配とご迷惑を…お掛けして…申し訳ありません…」
ポツリポツリとエマの話声が漏れ聞こえる。
「そうか。だが、私はどういった理由であれやった事に対する裁きは必要だと思っている。
後からでも構わない、言う気になれば遠慮なく言ってくれ。
先ずは体調の回復に努める事。必要なものがあれば言ってくれればいい。
兵団内でこのような事が起きたのは私の責任だ。本当に申し訳ない」
「エルヴィン団長、やめてください。団長の責任だなんて…私…のせいなので…」
なにがお前のせいなんだ。
あんなボロボロにされてお前が悪いはずないだろう。
「それと…これは団長としてではなく、エルヴィン・スミス個人として言わせてくれ。俺が不甲斐ないばかりに君を守ってやれなくてすまなかった」