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白銀の女神[リヴァイ・エルヴィン]

第17章 ●犯人の正体●


「え?…」


伏していた目をフロイドに向けた時にはもう遅かった。

目の前の世界がぐらんと揺らいだと思うと、机の上にガンっと勢い良く顔が落ち、身体を起こすことができなかった。


「エマちゃん、この間は弟の代わりに君をめちゃくちゃにしようと思ったのに邪魔が入ったけどね。
今日はその邪魔者二人もいないみたいだし存分に楽しもうね」


フロイドの狂気を帯びた顔が目に入ったが、そのまま意識が薄れていった。








気がつくと暗くて狭い、物置のようなところに寝かされていた。
既に全裸にされ、両手首は締め上げられ、口にも布がかまされていた。


暗いが周りに目をやると、殺気を帯びた暗い目をしたフロイドが立っていた。


「んーっ!んーーっっ!!」


もがこうとするが、またクスリを盛られたようで身体が上手く動かない。
以前にクスリを盛られた時と同じだ。
さっきの会話とこのクスリ…


…以前私を襲ってきた犯人もフロイドだったのか…


動機は…私の代わりに死なせてしまった弟レイドの仇?…


「エマちゃん、良い格好だよ。
この間みたいになるといけないからもう手早くさせてもらうね」


狂ってる…
だが、きっとこの人をそうさせてしまったのは私のせいだ…

さっきは反射的に抵抗したが、私はこのまま受け入れないといけないような思いに駆られた。


「大人しいね。君、団長と兵長にもやられまくってるんでしょ。
噂で聞いてたよ。なんで弟はこんな女の代わりにって思わない日は無かったよ」

全くの誤解だ。

誰かが面白おかしくした噂話だろう。
兵長とのことだって、フロイドに盛られたクスリを抜く為で、その前もその後も何もない。
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