第16章 元通りの日常
「はい。もう身体の方も問題ありませんし、喜んでお手伝いさせていただきます」
団長からそう言われると自分の能力を買ってもらっているようで嬉しく思った。
「リヴァイのところにも行くのか?」
ふいに兵長の名前が出て若干紅茶を吹きかけた。
「兵長からは特に何も言われていませんが…」
「そうか。またリヴァイからもお呼びがかかるだろうがその時はいってやってくれ」
そうなのか。
幹部はなにかと忙しいのだろう。
エルヴィン団長の執務室を出て自分の居室へ戻ろうとすると、リヴァイ兵長にバッタリと会った。
兵長も仕事を終えたところなのだろう。
「エルヴィンのところにいっていたのか。何もされなかったか」
「大丈夫ですよ、兵長。何も無かったですし、そもそも団長にはその気もありませんよ。今後もお手伝いするよう言われました」
先程の団長とのやり取りで、私の警戒も取り越し苦労と思ったので、そのままを兵長に笑って伝えた。
「そうか。ならお前俺のところにも来い」
エルヴィン団長の言った通りとなった。
兵長にはクスリの件で仕方なかったとはいえ、何度も抱かれた経緯がある。
思うところが無いわけでは無かったが、それこそ兵長にとっては取るに足らないことだろう。
「了解です、では明日参りますね」
そう言いながら敬礼を返し、自分の居室へ戻った。