第1章 出会い
ーーーーーーーー
今日から早速それぞれの班に分かれての訓練が始まる。
私はハンジ分隊長の班に配属された。ハンジさんは巨人討伐の実力者であると共に巨人の研究も行っており、エルヴィン団長、リヴァイ兵長も認めるキレ者だ。
些か行き過ぎた巨人愛に一部では巨人狂いなんてことを言う人もいるが、これまでと全く違う視点で巨人と立ち向かおうとしているハンジさんを私は尊敬している。
「エマ〜!ヨロシクね!いや〜美人の新兵が入ってきてくれて嬉しいよ!」
ハンジさんは分隊長でありながら気さくな方だ。
「はっ!私も、巨人研究をなさっているハンジ班に配属され光栄です!」
私の巨人研究のくだりがツボに入ったのか、みるみるハンジさんの顔がみるみる紅潮し、
「えっ…エマ…もしかして巨人の話聞きたい??…嬉しいなぁ〜!!!先ずはね…」
「分隊長!先ずは訓練です!リヴァイ兵長も観に来られるそうですから!後にしてください!」
すかさずモブリット副官が止めに入る。
敬礼しているし2人の上官を前にしているので笑うことこそ出来ないが、この2人のやりとりに心が和んだ。
「おい…メガネ。さっさと始めろ」
そんなやりとりの中リヴァイ兵長が早速見学に現れた。
近くで見るとやはり男性にしては少し小柄で私と同じくらいの背丈か。黒髪がサラサラとしていて清潔感があり、少し悪い目つきもよく見ると三白眼で涼しげな美しい顔だ。
確かにこの顔で人類最強とは男女問わず人気だろうな…
なんて思ってたら
「おい、そこの新兵。ボーッと突っ立ってねぇでサッサと始めろ。殆どお前の為の訓練なんだからな」
「も〜リヴァイったら、そんな急かさなくてもやるってばー!エマ!あの木から森の中央までで良いから立体機動装置で飛んで巨人の模型が出てきたらうなじを削いでね!訓練兵の時にもやってたろうし要領は同じだよ!」