第11章 ●罠●
ただ指でなぞられただけなのに、身体がビクンっと反応する。
それをキッカケに全身が疼きだし、着ている服が肌に擦れるのでさえ辛い。
愕然とした。
最悪だ。
盛られたのはきっと媚薬だろう。
こんな屑相手に反応している自分に絶望したが、その自分を押し殺して抵抗する為暴れた。
「んーっ!んーっっ!!!」
ガンっと頰に衝撃が来る。
左頬を殴られ、唇が切れたようで口の中に鉄の味が広がった。
「ダメだって言ってるだろ。綺麗な顔が台無しになるよ」
男の発する言葉は優しいが、顔には狂気が満ちている。
男は私の背中に手を回すとドレスのファスナーを下げた。
たったそれだけの行為ですら今の私には拷問のようだった。
肌に触れるところが全て熱くなり更なる刺激を求めようと身体がクネクネと動いてしまう。
あっという間に私が着ていたものは全て取り払われてしまった。
「傷だらけだけど、鍛え上げられてて美しいね。
やっぱ調査兵となると女性もそれなりの身体じゃないと務まらないってことか…」
男は舐めるように私の身体を見て、
「気持ちよくしてあげるから力抜いてね」
と、耳元で囁く。
耳にかかる男の息で自分の息まで熱くなる。
「はぁっ…、ふぅっ……」
必死に堪えるが、男が耳から首筋、鎖骨へと唇が触れるか触れないかのギリギリのタッチで進めていく。
そのまま胸にきたが、敢えて先端を外しその周りを唇で撫で上げる。