第11章 ●罠●
気がつくと見たことのない天井が見えた。
ベッドに寝かされているようだ。
灯が薄暗く全体的にボンヤリとしか様子がわからない。
「あ、気がついた?」
聞きなれない声に自分の置かれた状況を思い出し、血の気が引いた。
口には布が咬まされ両手首を布でベッドの柵に縛られている。脚は自由だが、クスリのせいか身体が思うように動かない。
「ダメだよ、あまり動いたら外に音が漏れてしまうからね」
男は不気味な笑みを浮かべながら続けた。
暗くて顔がわからないが、歪んだ口元だけが目に入る。
「エマちゃんだよね、銀髪は珍しいからすぐにわかったよ。
話に聞いてた通り美人だね。
君が飲んだおクスリですぐに楽しく気持ちよくなっていくからね」
と言われ、恐怖が込み上げてくる。
なんだ、何を飲まされた?
コイツは一体誰?
何故私のことを知ってる?
私のことを知ってて狙った??
頭をフル回転させるが、クスリのせいかボーッとしている。
「そろそろクスリも全体にまわったかな?」
と、男が首筋を指でなぞると身体が跳ね上がる。
「んーっ……!!!」