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白銀の女神[リヴァイ・エルヴィン]

第9章 初陣の傷跡


私は地下街で産まれた。
娼館で働く母と客の子だった。

母は私を産んでからも娼婦として働き私を食べさせてくれた。
母の愛に触れ幸せではあったが生活は常に苦しく、ここより酷い暮らしは無いだろうと幼いながらに思った。

私が8歳の時、母と私も一緒に身請けをしてくれるという優しい男性が現れ、母も私も救われた気持ちで地上に行った。


だが、地上で私達母子を待っていたのはさらなる地獄だった。
その男性は母を妻として迎え入れたのではなく娼婦として稼がせる為に安くで身請けしたのだった。


その男は個人で母を働かせていたので、ある意味地下街で娼館に居た方が衛生面や客の教育が出来ておりまだマシだった。

男は金を酒に使い、母は商品なので殴れない。
酒に酔う度に私が殴られた。

初潮が来たら私も客を取るよう言われたが、結局は取らされなかった。
男は母が病とわかった瞬間、私たちを置いて出て行ったからだ。

私を働かせるには栄養状態も悪く死にかけで面倒だったから置いて行ったんだろう。

母も私も金髪だったが、もうこの頃にはすっかり色が抜けてしまい、銀色になっていた。

母が亡くなった時にケニーが訪ねてきた。
母のいとこだと言った気がする。



「おい、おめぇは生きてる方か」


ケニーは私を食べさせてくれ、体調がマシになった頃に、護身用にと格闘・ナイフの使い方、食べ物の手に入れ方を教えてくれた。

ある日、ケニーは

「おれぁ、もうここを離れる。オトナの事情ってやつだ。お前、このクソみてぇな世界からでたけりゃ強くなれ」

「前に話したドチビが調査兵団の犬になったらしい。おめぇのバカ力そこなら活かせるだろう。立体起動装置ってのがあるらしいからそれならおめぇの鳥になりたいってバカみてぇな夢も叶うだろ」


結局、ケニーの後押しがあって私は訓練兵となった。
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