第1章 出会い
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勧誘式の後、エルヴィンと俺はエルヴィンの執務室で今後の予定の確認をしていた。明日から早速俺や幹部たちそれぞれの班で訓練が始まる。確認が終わった後エルヴィンが切り出した。
「リヴァイ、今期の新兵はどうだ?」
「まだ、壇上からツラしか拝んでねぇのにわかるわけねぇだろ。
明日以降の訓練を見ねぇことにはなんとも言えねぇな」
エルヴィンは続けた。
「そうか。実は一人気になる子がいてな。
今期の首席が入団するんだよ、エマと言って1番前にいた銀髪の子だ」
「そいつは大した変わりもんだな。普通なら憲兵団へ行くだろう。そいつがどうした?」
「彼女の訓練中の様子を見たことがあってな。
お前の動き方に似ている気がするから覚えていたんだよ。
それに容姿も端麗だぞ。実際、成績も申し分ないし、将来お前と張るくらいの兵士になるかもしれない」
とエルヴィンは少し笑いながら言った。
コイツが特別目を掛ける兵士はそんなに多くはない。
「ほぅ…だいぶそいつのことを買ってるようだが、
訓練で良くても実際璧外に行ったら役に立つかわからん。
そんなやつはこれまでも山のようにいたからな」
と言ってみたものの、そいつについては俺も気になっていた。
銀髪自体が珍しいのもあるし、誰もが美人だと言う容姿だ。銀髪にブルーの瞳、白い肌にベビーピンクの唇。
ただ、そんな見た目だからだけではなく、何故か目を惹かれた。
壇上からだ。距離もある。
目が合った瞬間、俺の心臓は大きく高鳴り、貫かれたようだった。