第1章 出会い
「あまり大きい声で言うなよ…」
レイドにたしなめられ、私は仮にも彼の憧れの人をチビ扱いし、少しマズかったかと首をすくめて小さく笑った。
レイドは同期の中で一番話しやすい。
私はあまり話す方ではなく、同期と仲が悪い訳ではないが、私自身あまり関わらないようにしている。
レイドは、人当たりの良い性格とその実力で訓練兵時代には仲を取り持つよう同期の女子達から色々と言われたものだが適当に流した。
当のレイドは関心がないようで、卒業まで浮いた話は1つも無かった。
兵舎へ戻り少ない荷物をまとめる。
いよいよ明日から、私は調査兵だ。