第8章 初陣
「エマ!!初陣で討伐おめでとー!
さぁまだ来るよ!!」
ハンジさんが声をかける。
「おりゃぁぁぁ!!!」
レイドも一体討伐したようだ。
「やるね!きみ!!
今期の新兵は実力派ばっかりだな〜!
こっちもやったよ!よし!
各自馬を拾って本隊に合流するぞ!」
もう一体はハンジさんによって討伐されていた。
戦っている間に雨は霧雨に変わり白く煙っている。
訓練とは違い戦闘中にいつもの鳥になる妄想は出来なかったが、巨人を討伐出来た達成感と安心感から、移動しながら初めて壁の外での妄想をした。
気持ち良い…雨でも…壁の外を自由に飛び回って…いつか全ての巨人を絶滅させて…自由に生きるんだ…
『エマっっっ!!!!!!!』
気づいた時には既に巨人の手の中だった。
ぐっ…パキッパキッ。
「ぐっ……、があっっ……!!!」
肋骨が折れたのがわかった。
そうか、もう一体奇行種がいると伝達されてた。
それに…
あぁ、リヴァイ兵長に注意されてたのに。
雨で見えなかったんじゃない。
見てなかった…。
せっかく、壁の外に出たのにここで終わりなのか…
…仕方ないか…
「エマっ!!諦めるなっっ!!」
そう聞こえた瞬間、身体を捉えていた巨人の手と共に地面に叩きつけられた。
「いっ…!!!」
レイドがすかさず巨人の手を落としてくれたのだ。
が、次の瞬間私の目に飛び込んできたのは
「なんで……レイド……」