• テキストサイズ

白銀の女神[リヴァイ・エルヴィン]

第8章 初陣


「開門!!30秒前!!!」



「進めぇぇぇぇぇーーーー!!!」



エルヴィン団長の叫びとも思われる号令により、調査兵団は壁外調査を開始した。
程なく長距離索敵陣形が取られ目的地へと進行する。



「今のところまだ巨人は現れてないようですね」


モブリット副官がいつもより少し緊張した面持ちでハンジさんに話しかける。


「そうだね、この分だと被害も少なく済むかもしれないけど…天気がちょっと荒れるかもしれないなぁ〜…」



ハンジさんはそう言い、空を見上げた。
言われてみればこちら側には雲ひとつ無いが、進行方向に分厚い雲がかかって嫌な雰囲気がする。



ハンジさんの予見した通り、通り雨とは思われるがかなりの量の雨に見舞われた。

雨だと視界も格段に悪くなるし、何より巨人との遭遇や作戦の伝達手段である信煙弾が上手く機能しない。馬のスピードも落ちる。



「ハンジ分隊長!口頭伝達です!
右翼後方側より奇行種とその他三体の巨人が中央に向かっています!!
中央司令部へ伝達お願いします!!」



信煙弾では足らないからだろう、レイドが伝達役としてやってきた。
一気に緊張感が増す。


「モブリット!エルヴィンに伝えて!」


「了解です!」


モブリットさんがスピードを上げ中央へ向かった。
荷馬車は元々スピードがあまり出せない。
だが、今回の調査の目的は資材の運搬なので死守しないといけない。



「………!!!」


どっどっどっどっ…


「後方より巨人接近!!」
「数…三体!!!」
荷馬車から兵士の報告が飛ぶ。



「このスピードだと追いつかれちゃうな…
各自この先の森で立体機動装置にて応戦!
荷馬車はそのまま進め!
巨人をこれ以上中に進ませるな!!!」



ハンジさんの指示が飛ぶ。
巨人が出現したのでレイドも元の班のところに戻らず応戦することとなった。


「まさか、初陣がエマと一緒に巨人と戦闘とはな」


「ほんと、運が良いのか悪いのか」


2人で樹上から巨人の接近を確認する。


「巨人接近!!戦闘開始!!」


ハンジさんの号令で皆一斉に動き出す。
私もアンカーを射出し一体の巨人を仕留めた。
奇行種ではなく通常の巨人だったようだ。
/ 220ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp