第6章 変化
兵長から指示された淹れ方をしていたがマズかっただろうか。
「いや、そうじゃない。今までも美味しかったんだが、さらに香りが良くなったな。
リヴァイに淹れ方でも教わったか?
リヴァイは紅茶が好きだからな」
リヴァイ兵長の部屋に行きだした事については私から特に伝えなかったが、2人の間でそんな話になったのだろうか。
話の流れだ、私からも説明した。
「ええ、そうなんです。団長がお留守の時に兵長にも仕事をお手伝いさせていただいて、その時に教わりました。
それから団長のお部屋に行かない日は兵長のお手伝いをさせていただいています」
「やはりそうか。リヴァイは何も言ってこなかったが、まさか2人がそんなに仲良くなっていたとはな」
と、エルヴィン団長は苦笑いした。
「仲良くだなんて。エルヴィン団長と同じように書類をお手伝いしてお茶をいただいているだけですよ」
団長は私からもリヴァイ兵長からも何も聞いてないのにわかったのか?
この人はなにもかもお見通しなのだろうか。
つい、リヴァイ兵長とのキスを思い出してしまい、身体の奥が熱くなったような気がして必死で堪えた。
「キスをしたのにか?」
「えっ………!!」
驚いてエルヴィン団長の顔を見上げる。
言葉が出ない。恥ずかしい。
団長は私と兵長のことは一切今まで知らなかったはずだ。
私が兵長とのキスを思い出していたことを見透かされたのかと思うと、もう恥ずかしすぎて顔から火が出そうだ。
「リヴァイめ…手の早いやつだな」
とふふっと笑いながら団長は言う。