第6章 変化
ハッとして、ようやく我に帰り
「い、いえ。た、多分兵長は私が普段ボサッとしていることを注意してくださっただけで…
兵長にとってはあまり意味のないことかと…」
私が話終わる前に、気がついたら団長の唇が私の頰に触れていた。
どうしていいかわからず固まっていると、その唇が頰からこめかみに移り、耳を伝って首筋に落ちてきた。
「んっ……あっ……」
自分でも聞いたことのない声が漏れてしまい、思わず口を手で覆う。
恥ずかしさとくすぐったいようなムズムズする感覚とでもう何がなんだかわからなくなった。
少しの間、私の首筋を食んでいたエルヴィン団長が顔を上げいつもの笑顔で、
「…エマ、明日は調整日だからしっかり休みなさい。
いつも手伝ってくれてありがとう」
そう言われ、私はなんとか立ち上がり執務室を後にした。
心臓の脈打つ速さが尋常じゃない。
揶揄われているだけだとわかっているが、もう頭が爆発しそうだ。
早足で自分の部屋まで戻った。
明日が調整日で良かった。