第4章 二つ目の新しい仕事
なるほど。いつもだいたいでしか淹れてなかったけどキッチリやるとここまで変わるのか。
マジマジと茜色の液体を見ていると、
「エルヴィンとはどこまでやった」
兵長はカップを置き私に尋ねた。
「どこまで…とは?すみません、質問の意味がわかりません」
「こないだ俺が見たときはエルヴィンとキスしてたように見えたが」
兵長の三白眼が射るように私の目を捉えて離さない。
また顔が紅くなってる気がする。
頭を回せ、言葉を出せ。
フゥっと一呼吸して心臓を落ち着かせ、
「エルヴィン団長とはなにもありません。
今日兵長の元でさせていただいたような書類仕事とそれが終わったらお茶を淹れ、私の世間話にお付き合いいただいているだけです」
と答えた。
兵長は私の目を見つめ、私はなかなか目を逸らせない。
鋭い三白眼が私の目を射抜く。
…気がついたら兵長の唇が私の唇に重なっていた。
一瞬、時が止まった。
頭も身体も固まっていると、兵長は私の頭に手を回し動けないようにする。
兵長の舌が私の唇を割って入ってくる。
息が出来ない、苦しい…
逃げようとしても抑えられて離してもらえない。紅茶の良い香りがする…