第36章 クーデターと硬質化
「にしてもかなり厳しい状況ですね」
「あぁ。荷馬車での移動だからまだエレン達はレイス家の領地に着いてはないだろうが、もう検問所を無理矢理突破するくらいしか思いつかねえ」
結局、その言葉通り検問所を突破した。
予定と違ったのは憲兵団の新兵二人が協力してくれたので手に掛ける人数が僅かながら減った事だった。
兵長が一人既にボロボロになっている兵士の首根っこを掴んで引き摺ってきた。
「兵長、そいつは?」
「こいつは中央憲兵だ。こいつには聞くことがある」
バキィッ!ドカッッ!
静かな山に容赦なく暴行の音が響く。
兵長は、その兵士にエレン達の詳細な居場所を問いただしたが、中々口を割らなかった。
いや、物理的には割れていたが。
「本当だ!俺達は何も知らされてねぇんだよ!!
ケニー・アッカーマンはとても用心深い!!」
とうとう泣きそうな声で兵士は叫んだ。
兵長は目を見開き殺気が増した。
「あぁ、そうだな。奴は何も言わねえ。大事な事は特にな」
そうこうしていると、ハンジさん達がやってきた。
ハンジさん達の方では、エルヴィン団長の濡衣が晴れたのと、偽の王を失脚させ…つまりはクーデターが成功したとの事だった。
そして私達は、晴れてお日様の下を歩ける事となった。
だが、まだ解決はしていない。
エレンとヒストリアが捕らえられたままだ。