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白銀の女神[リヴァイ・エルヴィン]

第36章 クーデターと硬質化




そして、その説明を受けていた時、同じくハンジ班の二ファが飛び込んできた。
エルヴィン団長からの伝言メモを持って。
そのメモが兵長に渡ると、すぐに兵長の眉間のシワが更に深くなり、



「おい。すぐにここを出るぞ。全ての痕跡を消せ」




私達はそのただならぬ雰囲気を感じ、大急ぎで作業にあたり小屋を出た。




「もう少し遅かったら、俺たちどうなってたんだ…」


コニーが青ざめた顔で、ポツリと呟いた。

今朝、私と兵長がお互いの気持ちを確かめ合った場所から、武装を雨具で隠した私達は小屋を見下ろしていた。


小屋の周りを銃を持った中央憲兵が取り囲んでいた。
コニーの言う通り、もう少し遅かったら私達は明日の朝を迎えられなかったかもしれない。



「エルヴィンからはこうだ。
壁外調査の全面凍結、加えてエレンとヒストリアの即時引渡しだと」



そして、二ファも兵長の言葉に続いた。



「そのメモを団長から預かった後、すぐに団長の元にも憲兵団が来て団長は連行されました…」



これまでは巨人だけが敵だと思っていたが、いよいよ人間を敵にする時が来てしまったらしい。
私は腹を括った。
巨人にだって負ければ喰われるか殺される。
人間が相手になったとて、喰われるという選択肢がなくなるだけで殺されるのは変わらない。


ただ、勝つ為には自分の手を汚すことになるだろう。
そして、この104期達にもそれを強いることになるだろう。
彼等にそれが出来るだろうか。



「一旦トロスト区へ向かう。ハンジ、お前の部下を何人か借りるぞ」


「ああ。私はエルヴィンの方に付こう。モブリットは私と一緒に来てくれ」




私は結局またリヴァイ兵長の元で動く事となった。
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