第32章 ●欲望●
「…っがっ…!…がはっ!うぉぇっ…!」
締め上げられたせいで咳き込み、吐きそうになった。
「…ごめ…なさ…」
「…言っただろう。エルヴィンがお前の身体を知ってる事に何も思わない訳じゃねえ。
俺はどうやら独占欲がかなり強いらしくてな。
自分でも正直驚いてる。
お前が俺だけしか見えなくなるように上書きしてやるよ」
そう言うと兵長は、私の両腕を押さえつけながら強引に唇を重ねてきた。
舌で口内を荒々しく掻き回された。
舌を絡ませたり、歯茎を舌でなぞったり、時折私の舌を吸い上げたり…。
あらゆる方法で兵長は、私の口の中を兵長の色に染めていった。
そして、耳朶を甘く齧られたと思ったら、そのまま尖らせた舌をツツッと首筋に添わせていった。
「…んっ…、ふっ……」
漏れそうな声を必死で噛み殺す。
兵舎以上にこの小屋は壁が薄い。
自分の手でも噛みたいところだが、生憎兵長に両手を抑えられていてそれが叶わなかった。
「そうだ。しっかり声を我慢しろよ。
あいつらに聞こえねぇようにな」
ーーーやめてくださいーーー
そう言いかけたが、ぐっと飲み込んだ。
私には今のこの兵長を受け止める責任がある。
首筋…鎖骨…脇…胸…どんどんと舐められていく。
シャツの前は開けられ、下着はずらされた。
撫でるように舐めたり、尖らせた舌先で触れるかどうかの微妙な具合に舐めたり、胸の先端はコロコロと遊ばれた。
私の両手を押さえつけていた兵長の手はいつの間にか胸を揉んでいた。優しく揉んだかと思えば揉みながら先端を舌で遊んだり、たまに先端をカリッと歯で噛まれた。
「…んっ…、んぅっ…、っっ…」
声を出せないことが枷になって、興奮してしまっているのに気がついた。
私は兵長にこんなに強引にされているのに、既に下半身は潤っているであろうことが自分でもわかった。