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白銀の女神[リヴァイ・エルヴィン]

第29章 奪還作戦2


まさに地獄絵図だった。
だが、その地獄絵図の真ん中にエレンがいる。
なんとしてでも取り返さなくてはいけない。
あの巨人の群れの中に飛び込んで…


皆が唖然としてその光景を見つめていた時だった。


「進め!!!!
エレン無くして人類の勝利は有り得ない!
なんとしてでも奪い返せ!!!!」


団長がそう叫び、右手を勇猛に挙げながら先陣を切って鎧に向かって走っていった。


私達もぐっと腹を括り、

「団長に続け!!エレンを取り戻せ!!」


叫び、それに続く。
叫びながら皆向かった。

至る所から現れる巨人に何人も仲間達が食われていっている。


その時だった。


「団長ぉぉぉぉぉ!!!!」


皆が叫んだ。
団長が横から不意に現れた巨人に右手を喰われ巨人の口からぶら下がっている。


『進めぇぇぇぇぇぇ!!!!』


団長は巨人の口からぶら下がりながら、皆に前進の指示を出した。

皆、それに後押しされ巨人の群れへ飛び込んだが、私は団長を咥えている巨人の頸を削ぎ落として救出した。
団長は生きてはいるが、腕は巨人に持っていかれた。急いで止血をしていると、


「…エマ、俺の馬を…」


「何言ってるんですか!そんな身体で馬に乗ったら巨人の餌食です!」


「それならエマ…、
お前が俺を鎧のところまで連れて行け…」


クソっ…
団長をここに置いていく訳にはいかない。


私は隻腕の団長を馬に乗せて鎧に向かった。
鎧の上では、アルミンとベルトルトが何か話しているように見えた。巨人と巨人の間をすり抜けて鎧へ向かっていく。


鎧に近づくと団長は片手でアンカーを操作して、見事にエレンを縛っていた布をベルトルトごと切った。


私はぐたりと落ちてくる団長の身体を受け止めに行き、そのまま馬でその場を離れた。


ベルトルトから切り離されたエレンも回収出来たようだった。
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