第28章 奪還作戦
壁上を馬で駆け、先遣隊と合流することができた。
だが、そこは想像していたよりも悲惨な状況だった。
比較的軽傷のモブリットさんが団長に状況を説明した。
私はハンジさんの側にいき、傷の具合を見た。
顔の半分以上が火傷で赤くなっており、服の下はわからないが見た目以上に酷そうなのが伺えた。
モブリットさんがハンジさんの様子を見ている私の隣に来て、
「一緒にいたのに、守れなかった」
と、ポツリと呟いた。
驚いてモブリットさんの方に向き直ったが、モブリットさんは既に立ち上がり歩き出そうとしていた。
モブリットさんはもしかしてずっとハンジさんを…?
自分の無力さとモブリットさんの一言に、胸が締め付けられるようだった。
ガシッ!!
「なっ…!分隊長!??」
ハンジさんが傷ついた身体を引き摺りながらおもむろにモブリットさんの足首を掴んだ。
「ち…地図を…」
ハンジさんは地図を指差し、
「ここに…小規模だが巨大樹の森がある。
そこを目指すべきだ…
まぁ…鎧の巨人の足跡は隠しようがないと思うけど…
多分…彼らはここに向かいたいだろう」
「なぜだ?」
エルヴィン団長は尋ねた。