第28章 奪還作戦
「賭け…だけど…。
巨人化の力があっても壁外じゃ他の巨人の脅威に晒されるようだし、あれだけ戦った後だからエレンほどじゃなくても…えらく消耗してるんじゃないか?
アニも寝込んでたらしいよ」
皆が息を呑みハンジさんの話に聞き入った。
「彼らの目的地をウォール・マリアの向こう側だと仮定しようか。
さらに…その長大な距離を渡り進む体力が残ってないものと仮定してみよう。
どこか巨人の手の届かない所で休みたいと思うんじゃないか!?」
ハンジさんの声に力がこもってきた。
話を聞く私達の目にも力が入るのがわかった。
「巨人が動かなくなる夜まで!
夜までだ!!
夜までにこの森に着けばまだ間に合うかもしれない!!」
日没まであと1時間。
絶望しか無いと思ったところに希望が見えて来る。
博打は上官に任せて、私達は目の前のことに心臓を捧げるだけだ。
ハンジさん、任せてください。
エレンは取り戻します。
兵長、私とエルヴィン団長は生きてあなたの前に戻ります。
こうして、調査兵団本隊、憲兵団、先遣隊の中で動ける者でなんとか人数を集めて、長距離索敵陣形を組む事となった。