第25章 リヴァイ班
兵長が指示を出し、皆それに従う。
一層緊張感が増した。
『『ドガーーーーン!!!!!!!!!』』
大きな音がしたと思ったら私達の後方に、見た事の無い形の女型の巨人が現れた。
運動性能、明らかに知性を持ちエレンを狙って来ている事を考えると、これは奇行種等ではなく…エレンと同じ巨人化できる人間だと一目でわかった。
馬の速度を上げるが、それ以後兵長から指示はない。
背後より仲間の増援が女型の巨人を捉えようと立ち向かうが皆ほぼ一撃でやられていく。
「兵長!!戦いましょう!!」
「やりましょう!アイツは危険です!!」
「立体機動に移りましょう!!」
「兵長!!指示を!!!」
私以外の班員は口々に叫び出した。
「…全員、耳を塞げ」
すると、兵長が音響弾を撃った。
ハッと我に帰る班員たち。
「…お前らの仕事は何だ?
その時々の感情に身を任せるだけか?
この班の使命はそこのクソガキにキズ一つ付けないように尽くすことだ。
命の限り。そうだったな、エマ」
「はい。兵長!」
尚状況は変わらず、仲間達は女型にやられ続け、私達は走り続けた。
エレンはふと思い出したかのように自分の左手を見つめた。
巨人化する際の自傷行為を考えているのだろう。
それに気づいたペトラが止める。
だが兵長は止めなかった。
「やりたきゃやれ。結果は誰にもわからん。
自分を信じても、信頼に足る仲間を信じても…
…まあせいぜい、悔いが残らない方を自分で選べ」
兵長はそう言い、エレンに選択肢を与えた。
「エレン、あなたが決めれば良い。
けど、私達は何を目的としているのか考えて」
私は兵長の言葉に一言だけ添えた。
結果、エレンはリヴァイ兵長、リヴァイ班、調査兵団を信じ、進む事を選択した。